肌のバリア機能を支える細胞間脂質の主成分。乾燥肌・敏感肌ケアに欠かせない成分です。

セラミドの基本情報

セラミド(Ceramide)は、角質層の細胞間脂質の約50%を占める主要成分です。角質細胞同士をつなぎとめる「モルタル」のような役割を果たし、肌のバリア機能と保湿機能の両方を担う極めて重要な成分です。

人の肌には天然のセラミドが存在しますが、加齢や環境ストレス、洗顔のしすぎなどによって減少することが知られています。セラミドが不足すると、肌のバリア機能が低下し、乾燥・敏感・肌荒れなどのトラブルを引き起こしやすくなります。

セラミドの主な役割

1. バリア機能の維持

角質層の細胞間脂質が「ラメラ構造」と呼ばれる規則正しい層状構造を形成することで、外部からの刺激物質(細菌、アレルゲン、紫外線など)の侵入を防いでいます。セラミドはこのラメラ構造の維持に不可欠な成分です。

2. 水分保持機能

セラミドを含む細胞間脂質は、角質層の水分をしっかりと抱え込み、肌の乾燥を防ぎます。健康な肌の角質層には約20〜30%の水分が含まれていますが、セラミド不足になると水分が蒸発しやすくなり、乾燥肌の原因となります。

3. 肌の柔軟性維持

適切な水分と脂質のバランスにより、肌は柔らかくしなやかな状態を保ちます。セラミドが減少すると肌が硬くなり、キメが乱れ、小じわが目立ちやすくなります。

セラミドの種類

人の肌には11種類以上のセラミドが存在することが確認されています。化粧品に配合されるセラミドは、大きく以下の4つに分類されます。

1. ヒト型セラミド(天然型・バイオセラミド)

人の肌に存在するセラミドと同じ構造を持つセラミドです。肌への親和性が高く、最も効果的にバリア機能をサポートします。

旧名称 新名称 特徴
セラミド1 セラミドEOP バリア機能向上に特に重要
セラミド2 セラミドNG/NS 最も量が多い。高い保湿力
セラミド3 セラミドNP 保湿・シワ予防
セラミド6II セラミドAP ターンオーバー促進

2. 植物性セラミド

コメ、トウモロコシ、コンニャク、大豆などから抽出されるセラミドです。「グルコシルセラミド」という形で配合されていることが多く、経口摂取(サプリメント)でも効果が研究されています。コスト面でヒト型より安価ですが、肌への親和性はやや劣ります。

3. 天然セラミド(動物由来)

馬などの動物から抽出されるセラミドで、「ビオセラミド」「セレブロシド」などの名称で表記されます。肌への浸透性が高いとされていますが、近年は動物由来を避ける傾向からヒト型や植物性に置き換わりつつあります。

4. 合成セラミド(疑似セラミド)

セラミドに似た構造を持つ合成成分です。「ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド」などの名称で表示されます。低コストで大量生産が可能ですが、ヒト型セラミドに比べると効果はマイルドです。

セラミド不足の原因

  • 加齢:30代から減少が始まり、50代では20代の約半分に
  • 洗顔・クレンジングのしすぎ:必要なセラミドまで洗い流してしまう
  • 紫外線:セラミド合成を阻害し、既存のセラミドを破壊
  • ストレス・睡眠不足:ターンオーバーの乱れによる合成低下
  • アトピー性皮膚炎:遺伝的にセラミド産生量が少ない傾向

効果的な使用方法

  • 洗顔後すぐに使用:入浴後や洗顔後は肌からセラミドが流出した状態。すぐにセラミド配合の化粧品で補給しましょう
  • 乳液やクリームで使用:セラミドは脂質なので、乳液やクリームタイプの製品で効率よく補給できます
  • 継続使用が重要:バリア機能の回復には2〜4週間程度の継続使用が必要です
  • ヒト型セラミドを選ぶ:成分表示で「セラミドEOP」「セラミドNG」「セラミドNP」などを確認

安全性について

セラミドは人の肌にもともと存在する成分であるため、アレルギー反応のリスクが非常に低い安全な成分です。敏感肌やアトピー肌の方にも積極的に推奨される成分の一つです。

むしろ、セラミド不足が敏感肌の原因となっている場合も多いため、セラミドの補給によって肌状態が改善することが期待できます。

参考文献・情報源

  • 日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」
  • 日本化粧品工業連合会「化粧品成分オンライン」
  • Imokawa G, et al. "Decreased level of ceramides in stratum corneum of atopic dermatitis" Journal of Investigative Dermatology. 1991

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の製品や治療法を推奨するものではありません。肌トラブルが続く場合は、皮膚科医にご相談ください。