ビタミンB3誘導体で、シワ改善・美白・毛穴ケアなど多機能な効果が期待される注目成分です。

ナイアシンアミドの基本情報

ナイアシンアミド(Niacinamide)は、ビタミンB3(ナイアシン)の一種で、別名「ニコチン酸アミド」とも呼ばれます。水溶性ビタミンであり、人体内でNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)やNADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)の前駆体として、エネルギー代謝に重要な役割を果たしています。

化粧品成分としては、2018年に厚生労働省により「シワ改善」の効能効果が認められ、医薬部外品の有効成分として注目を集めています。

ナイアシンアミドの主な効果

1. シワ改善効果

ナイアシンアミドは、真皮のコラーゲン産生を促進することで、シワの改善に寄与すると考えられています。2018年に日本で「シワ改善」の効能を取得した際の臨床試験では、12週間の使用で目尻のシワが改善されたという結果が報告されています。

2. 美白効果(メラニン生成抑制)

ナイアシンアミドには、メラノサイトからケラチノサイトへのメラニン輸送を抑制する作用があることが研究で示されています。これにより、シミやそばかすの予防・改善効果が期待できます。日本では美白有効成分としても承認されています。

3. 皮脂分泌のコントロール

皮脂腺の活動を調整し、過剰な皮脂分泌を抑える効果があるとされています。これにより、毛穴の開きやテカリの軽減、ニキビの予防に役立つ可能性があります。

4. 肌バリア機能の強化

ナイアシンアミドは、角質層のセラミド合成を促進することが研究で示されています。セラミドは肌のバリア機能を担う重要な成分であり、その産生が増えることで、外部刺激に強い健やかな肌へと導きます。

他の成分との相性

組み合わせに注意が必要な成分

ビタミンC(アスコルビン酸)との併用については、かつては相性が悪いとされていましたが、近年の研究では日常的な使用濃度・pH環境では問題ないという見解が主流になっています。ただし、高濃度で併用する場合は時間を空けて使用することをお勧めします。

相性の良い成分

  • ヒアルロン酸:保湿効果の相乗効果が期待できます
  • レチノール:レチノールの刺激を緩和しながら、エイジングケア効果を高めます
  • ペプチド:コラーゲン産生促進の相乗効果が期待できます

推奨濃度と使用方法

一般的な化粧品では、2〜5%程度の濃度で配合されていることが多いです。研究では、5%濃度での効果が多く報告されていますが、初めて使用する場合は低濃度から始めることをお勧めします。

ナイアシンアミドは朝晩どちらでも使用可能で、紫外線による不活性化の心配もありません。化粧水や美容液として、洗顔後のスキンケアに取り入れやすい成分です。

安全性について

ナイアシンアミドは一般的に刺激が少なく、敏感肌の方にも使いやすい成分として知られています。長年にわたる使用実績があり、重篤な副作用の報告はほとんどありません。

ただし、ごくまれに「ナイアシンフラッシュ」と呼ばれる一過性の顔の紅潮が起こる場合があります。これはナイアシンアミドではなくナイアシン(ニコチン酸)で起こりやすい現象ですが、高濃度のナイアシンアミド製品でも念のため注意が必要です。

参考文献・情報源

  • 厚生労働省「医薬部外品の効能効果の範囲について」
  • 日本化粧品工業連合会「化粧品成分オンライン」
  • Cosmetic Ingredient Review (CIR) Safety Assessment

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の製品や治療法を推奨するものではありません。個人の肌状態により効果は異なりますので、使用前にパッチテストを行うことをお勧めします。