「ナノセラミドって、普通のセラミドと何が違うの?」
夜の洗面所で洗顔後に頬がつっぱるとき、ドラッグストアの棚で「ナノセラミド」「角層まで」と書かれた化粧水を前に、手が止まる方は多いのではないでしょうか。
ナノセラミド化粧水の「ナノ」は、セラミドの粒子の大きさに関する表示であり、セラミドの種類を示すものではありません。ナノセラミドという言葉だけで、セラミドの種類や使用感を判断することは困難です。選ぶときは「ナノ化」の表示だけでなく、全成分表示でセラミドの名称を確認し、保湿成分の組み合わせと使用感で判断するのが基本です。この記事では、「ナノ」が指すもの、セラミドの構造による違い、「角層まで」の表示の読み方、買う前の4つの確認点、やめるべきサインまでを詳しく解説します。
ナノセラミド化粧水の「ナノ」は何を指す?結論と3つの要点
【結論】「ナノ」は粒子の大きさを表す言葉で、セラミドの種類を表す言葉ではありません。
セラミドは、角質層※1にある細胞間脂質※2の一つで、保湿を目的とした化粧品に配合される成分です。「ナノ」は、1ナノメートル※3が10億分の1メートルという長さの単位に由来します。
※1:角質層とは、皮膚の一番外側にある層のことです。
※2:細胞間脂質とは、角質層で細胞と細胞のすき間を埋めている脂質のことです。セラミドはその一種です。
※3:ナノメートルとは、1メートルの10億分の1の長さの単位です。
押さえたい要点は次の3つです。
- 「ナノ」は粒子の大きさの表示で、セラミドの種類(構造や由来の違い)は全成分表示で別に確認する必要がある
- 化粧品での「ナノ」の大きさの基準は、今回確認した範囲では統一されたものを見つけられなかった。製品ごとの説明を確認する必要がある
- 化粧品で表現できる効能は、肌にうるおいを与える・乾燥を防ぐ・肌を整えるなどの範囲に限られる(厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」、2011年)
ナノ化とヒト型は別の観点|2つの表示の違い
【結論】ナノ化は「粒子の大きさ」、セラミドの種類は「構造や由来」の話で、両方が表示されている製品も、片方だけの製品もあります。
ヒト型セラミド※4は、全成分表示では「セラミドNP」「セラミドAP」「セラミドEOP」などの名称で書かれます(名称の確認先:日本化粧品工業連合会「化粧品の成分表示名称リスト」)。一方、疑似セラミド※5や、馬などの動物由来のセラミド類似成分もあり、名称が異なります。
※4:ヒト型セラミドとは、人の角質層にあるセラミドと同じ構造をもつとされる成分です。
※5:疑似セラミドとは、セラミドに似た構造をもたせて作られた成分です。全成分表示では「セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド」などの名称で書かれます。
| 確認する項目 | 見る場所 |
|---|---|
| ナノ化(粒子の大きさ) | 商品名・キャッチコピー・メーカーの説明 |
| セラミドの種類 | 全成分表示の成分名 |
ナノ化の表示がある製品でも、セラミドの種類は全成分表示で確認します。反対に、ナノ化の記載がなくても、ヒト型セラミドを配合した保湿化粧水は市販されています。
「ナノだから浸透する」をどう読む?「角層まで」の範囲と表示の見方
【結論】「浸透」の表示は、角質層までの範囲を示して書かれる例がみられ、肌の深部に届くという意味ではありません。メーカーの説明と第三者の検証データは分けて読むのが安心です。
化粧品の表示では、「浸透」の説明が「角層まで」と範囲を示して書かれることがあります。つまり「角層まで」は、角質層の範囲の話です。
- メーカーの表示:「ナノ化によって角層のすみずみまで」といった説明は、メーカーが示す製品の特徴
- 第三者データ:粒子の大きさと保湿の感じ方の関係を、独立した機関が検証した公開データは、今回の調査では確認できなかった
そのため、ナノ化の説明は「メーカーはこう説明している」という情報として受け取り、実際の使用感は少量で試して確かめる方法が現実的です。
買う前に確認したい4つのポイント
【結論】全成分表示のセラミド名称、セラミドの由来、ナノ化の説明の内容、他の保湿成分と使用感の4点を確認します。
- セラミドの名称:全成分表示に「セラミドNP」などの名称があるか。全成分表示は、原則として配合量の多い順に並ぶ
- セラミドの由来:ヒト型・疑似・動物由来・植物由来のどれか。同じ「セラミド」でも成分名が異なる
- ナノ化の説明:何をナノ化したのか、粒子の大きさの記載があるか。記載がない場合は、公式サイトやお問い合わせで確認する
- 他の保湿成分と使用感:グリセリン、ヒアルロン酸などとの組み合わせ、さっぱり・しっとりの別、価格と容量を見て、毎日続けられるか
ナノ化の表示とセラミドの名称が同じ製品でも、配合量は製品によって異なります。全成分表示は、配合の有無を確認する目安です。
使い方の目安とやめるべきサイン|皮膚科受診の目安
【結論】製品の使用方法に従い、初めてのときはパッチテスト※6を行います。強い痛み・腫れ・発疹が出たときは使用を中止し、皮膚科を受診してください。
※6:パッチテストとは、腕の内側などに少量を塗り、赤みやかゆみが出ないかを確かめる方法です。
- 洗顔後、製品の使用方法に記載された量を手またはコットンで肌になじませる
- 新しい製品は1つずつ使い始め、変化を確認する
- 赤み・ヒリつき・かゆみが出たら使用を中止する
| 状態 | 対応の目安 |
|---|---|
| 軽い赤み・ヒリつき | 使用をやめて様子を見る |
| 強い痛み・腫れ・水ぶくれ・発疹 | 使用を中止し、早めに皮膚科を受診 |
| 乾燥・皮むけが広がる、かゆみや湿疹を伴う | 皮膚科で状態を確認 |
敏感肌の方、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある方、妊娠中・授乳中の方は、使い始める前に医師へ相談してください。
ナノセラミド化粧水に関するよくある質問(FAQ)
Q1. ナノセラミドとヒト型セラミドは同じですか?
Q2. 「ナノ化」はどのくらいの大きさを指しますか?
A. 化粧品での統一された基準は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。(詳細)
製品ごとに公式サイトで粒子の大きさの記載を確認するか、メーカーに問い合わせる方法があります。
Q3. 「角層まで」は何を意味しますか?
A. 角質層の範囲までという意味で、肌の深部に届くという意味ではありません。(詳細)
表示の説明はメーカーによるものです。使用感は少量で試して確かめてください。
Q4. 乾燥肌はナノ化とヒト型のどちらで選べばよいですか?
A. どちらか一方では決めず、全成分表示のセラミド名称、他の保湿成分、使用感を合わせて選びます。(詳細)
強い乾燥が続く場合は、化粧水を替える前に皮膚科へ相談してください。
Q5. 馬由来・植物由来・疑似セラミドの違いは?
A. 由来や構造が異なる成分で、全成分表示の名称も異なります。(詳細)
いずれも保湿を目的として配合されます。名称を確認して、肌に合うか少量で試してください。
まとめ|ナノ化は粒子の表示、セラミドの種類は全成分表示で確認する
【結論】ナノセラミド化粧水は、「ナノ」の表示とセラミドの種類を分けて読み、全成分表示と使用感で選ぶのがポイントです。
- ナノの意味:粒子の大きさの表示で、セラミドの種類とは別の観点
- ヒト型との違い:ヒト型は構造、ナノは大きさの話
- 角層まで:角質層の範囲を指す表示
- 選び方:名称・由来・説明・使用感の4点を確認
一朝一夕で変化を求めず、肌の様子を見ながら続けることが大切です。
※本記事は一般的なスキンケア情報を目的としており、特定の効果効能を保証するものではありません。肌状態に不安がある場合は、皮膚科専門医へご相談ください。