「保湿成分が多すぎて、ヒアルロン酸・セラミド・グリセリンの違いも分からない…」
成分名の多さに迷っている方に向けて、種類ごとに整理します。
保湿成分は、水になじむ成分と油になじむ成分に分けて考え、全成分表示と製品の使用方法を確認して、肌の状態に合わせて選ぶのが基本です。この記事では、種類別の早見表と、成分ごとの詳しい解説ページへの案内、選び方の共通ポイント、やめるべきサインをまとめます。
保湿とは?化粧品で表現できる範囲
保湿は、肌にうるおいを与え、乾燥を防ぐことを目指すお手入れで、化粧品で表現できる効能は、うるおいを与える・乾燥を防ぐ・肌を整えるなどの範囲です。
化粧品の効能は、「肌にうるおいを与える」「肌を整える」「肌の乾燥を防ぐ」などの範囲に限られます(厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(2011年)に基づく区分です)。乾燥した肌を治す、アトピー性皮膚炎などの症状を改善するといった表現はできません。
乾燥による肌の不調が続く場合は、保湿成分の選び方より先に、皮膚科で状態を確認することが大切です。
保湿成分の4つの種類|早見表
保湿成分は、水溶性・セラミド・油溶性(エモリエント)・植物や天然由来のエキスに分けて整理すると選びやすくなります。
種類ごとの優劣を示すものではなく、成分を探しやすくするための分類です。製品には複数の種類が組み合わされていることが多くあります。
| 分類 | 成分の例 | 説明(=の後は用語の意味) | 詳しい解説 |
|---|---|---|---|
| 水溶性の保湿成分 | グリセリン、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸 | 水溶性=水になじみやすい性質 | 水溶性の保湿成分 |
| セラミド | セラミド | 細胞間脂質=角質層の細胞のすき間にある脂質 | セラミド |
| 油溶性・エモリエント成分 | スクワラン、ワセリン、ホホバオイル、シアバター | 油溶性=油になじみやすい性質 | 油溶性・エモリエント成分 |
| 植物・天然由来のエキス | アロエベラ、ゆず、シロキクラゲ、ハチミツ | 抽出部位や方法で含まれる成分が異なる | 植物・天然由来のエキス |
水溶性の保湿成分|グリセリン・ヒアルロン酸・ポリグルタミン酸など
水溶性の保湿成分は、水になじみやすい性質があり、化粧水や美容液に配合されることが多い成分です。種類によって名称や由来が異なるため、成分名で確認します。
水溶性(=水になじみやすい性質)の保湿成分には、グリセリンのような低分子の成分や、ヒアルロン酸のような高分子の成分があります。ヒアルロン酸には、加水分解ヒアルロン酸やアセチルヒアルロン酸など、名前の似た成分もあります。成分表示では名称が異なるため、全成分表示で確認できます。
水溶性の保湿成分
- グリセリン:無色透明で粘り気のある液体で、保湿を目的とした化粧品に配合される成分です。
- ヒアルロン酸:高分子の多糖類で、化粧品では主にヒアルロン酸Naの形で配合される成分です。
- 加水分解ヒアルロン酸:ヒアルロン酸を加水分解して、分子を小さくした成分で、化粧水や美容液などに配合されることがあります。
- アセチルヒアルロン酸Na:ヒアルロン酸に、アセチル基(=酢酸に由来する原子の集まり)を結合させた成分で、化粧水や美容液などに配合されることがあります。
- ポリグルタミン酸:納豆の粘りの成分として知られる、アミノ酸が多数つながった成分で、化粧水や美容液などに配合されることがあります。
- プロテオグリカン:コアタンパク質に糖鎖が結合した成分で、サケの鼻軟骨などから得られるものが化粧品に配合されることがあります。
- エクトイン:極限環境の微生物から見つかったアミノ酸の一種で、保湿を目的としたスキンケアに配合される成分です。セラミドとの違いや選び方を整理しています。
- ヘパリン類似物質:皮膚科で処方される医薬品にも配合され、医薬部外品や化粧品に配合される製品もある成分です。製品の区分によって扱いが異なるため、区分と表示を確認し、医師・薬剤師に相談することが大切です。
セラミド|角質層にある細胞間脂質
セラミドは、角質層にある細胞間脂質の一つで、保湿を目的としたスキンケアに配合される成分です。種類によって表示名が異なるため、全成分表示で確認します。
セラミドには複数の種類があり、成分表示では「セラミドNP」「セラミドEOP」などの名称で表示されます。どのタイプが入っているかは、全成分表示で確認できます。
セラミド
- セラミド:角質層にある細胞間脂質の一つで、保湿を目的としたスキンケアに配合される成分です。種類の違いや選び方を整理しています。
油溶性・エモリエント成分|スクワラン・ワセリン・各種オイル・バター
油溶性の保湿成分は、油になじみやすい性質があり、肌の表面をおおって乾燥を防ぐことを目指す製品に使われる成分です。使用感や重さは成分によって異なります。
油溶性(=油になじみやすい性質)の成分には、スクワランやワセリン、植物由来のオイルやバターがあります。エモリエント(=油分で肌の表面をなめらかに整える成分の総称)として、クリームやオイルに配合されることがあります。使用感や重さは成分によって異なり、肌質や季節によって合う・合わないがあります。
油溶性・エモリエント成分
- スクワラン:スクワレンに水素を添加して安定させた油性の成分で、植物やサメの肝油などから得られ、化粧品に配合されることがあります。
- ワセリン:石油から精製された油性の成分で、肌の表面にとどまる性質があり、肌の乾燥を防ぐことを目指す製品に使われます。
- ホホバオイル:ホホバの種子から得られる液状のワックスで、スキンケアオイルやヘアオイルなどに使われます。
- アルガンオイル:モロッコ南西部に自生するアルガンの木の種子から得られるオイルで、スキンケアやヘアケアに使われます。
- マルラオイル:マルラの木の種子から得られるオイルで、フェイスオイルやボディオイル、ヘアオイルとして使われます。
- シアバター:シアの木の種子から得られる植物性の油脂で、ボディクリームやハンドクリーム、リップバームなどに配合されることがあります。
- 月見草オイル:月見草の種子から得られるオイルで、フェイスオイルやボディオイルなどに使われます。
植物・天然由来のエキス|アロエ・ゆず・シロキクラゲ・復活草など
植物や天然由来のエキスは、化粧水や美容液に配合され、うるおいを与えることを目指す製品に使われます。由来によってはアレルギーに注意が必要です。
植物や天然由来のエキスは、抽出部位や抽出方法によって含まれる成分が異なります。ローヤルゼリー・プロポリス・ハチミツなどの蜂由来の成分は、蜂製品にアレルギーがある方は使用前に医師へ相談してください。
植物由来のエキス
- アロエベラ液汁:アロエベラの葉から得られる液汁で、化粧水やジェルなどに配合される植物由来の成分です。
- ゆずエキス:ゆずの果皮や種子などから得られるエキスで、化粧水やクリーム、入浴剤などに配合される成分です。
- シロキクラゲ多糖体:食用キノコのシロキクラゲから得られる多糖類で、化粧水や美容液などに配合されることがあります。
- シラカバ樹液(バーチウォーター):シラカバ(白樺)の樹液(バーチウォーター)で、化粧水などに配合される成分です。
- 復活草(テマリカタヒバエキス):メキシコなどの乾燥地帯に自生するテマリカタヒバから得られるエキスで、化粧品に配合されることがあります。
蜂由来の成分
- ハチミツエキス:ミツバチが花の蜜から作るはちみつから得られる成分で、化粧品に配合されることがあります。蜂製品にアレルギーがある方は、使用前に医師へ相談してください。
- ローヤルゼリー:ミツバチ(働き蜂)が分泌する乳白色の物質で、化粧品や食品に使われる成分です。蜂製品にアレルギーがある方は、使用前に医師へ相談してください。
- プロポリス:ミツバチが集めた樹脂などから作られる天然物質で、化粧品に配合される成分です。蜂製品にアレルギーがある方は、使用前に医師へ相談してください。
保湿成分を選ぶときの5つの共通ポイント
保湿成分は、全成分表示・使用感・肌質・季節・続けやすさの5点を確認して選びます。
- 全成分表示:配合されている成分名を確認する。成分表示は配合量の多い順に並ぶ(1%以下の成分は順不同)。
- 使用感:化粧水はさっぱり、クリームやオイルはしっとりなど、剤形で使用感が異なる。
- 肌質:脂性肌は重い油分を避けたい場合がある。乾燥しやすい肌は油分を重ねる方法もある。
- 季節:空気が乾燥する季節と、汗をかく季節で、合う使用感が変わることがある。
- 続けやすさ:価格や使い切りやすさも含め、毎日続けられる製品を選ぶ。
保湿成分を組み合わせるときの注意点
保湿成分は、水溶性の成分を先に、油溶性の成分を後に重ねる方法が一般的で、一度に成分を増やしすぎないことが大切です。
化粧水(水溶性)の後に、乳液やクリーム(油溶性)で整える方法が一般的です。ただし、使う順番は製品の使用方法に従ってください。
新しい製品を同時に複数取り入れると、合わなかったときに原因が分かりにくくなります。1つずつ時期をずらして試す方法があります。
やめるべきサインと皮膚科を受診する目安
強い痛み・腫れ・水ぶくれ・発疹が出たとき、休んでも赤みやヒリつきが続くとき、範囲が広がる乾燥・皮むけやかゆみ・湿疹を伴うときは、使用を中止して皮膚科を受診してください。
| 状態 | 続けて様子を見てよい目安 | 使用を中止して相談する目安 |
|---|---|---|
| 赤み・ヒリつき | 軽く、回数を減らすと落ち着く | 強い痛みがある、休んでも続く |
| 乾燥・皮むけ | 保湿を続けても範囲が広がらず、かゆみや湿疹を伴わない | 範囲が広がる、かゆみや湿疹を伴う |
| 腫れ・水ぶくれ・発疹 | 該当なし | 出た時点で中止し、皮膚科を早めに受診 |
敏感肌の方、アトピー性皮膚炎(=かゆみや湿疹を繰り返す慢性の皮膚の病気)などの皮膚疾患がある方、妊娠中・授乳中の方は、使い始める前に医師へ相談しておくと安心です。
保湿成分に関するよくある質問(FAQ)
よく聞かれる5つの疑問に、成分の種類と使用方法の確認を基本として答えます。
Q1. 保湿成分は、何から選べばよいですか?
A. 全成分表示と製品の使用方法を確認し、使用感と肌質に合うものを選びます。(詳細)
乾燥が気になる場合は、水溶性の成分とセラミド、油溶性の成分を組み合わせた製品もあります。
Q2. ヒアルロン酸とセラミドは、どう違いますか?
A. ヒアルロン酸は水になじみやすい高分子の多糖類、セラミドは角質層にある細胞間脂質の一つで、成分の種類が異なります。(詳細)
どちらも保湿を目的とした製品に配合され、感じ方は製品や肌質によって異なります。
Q3. ワセリンやオイルは、顔に使ってもよいですか?
A. 製品の使用方法に従って使います。肌に合わないと感じたときは使用を中止してください。(詳細)
油分が多いため、ニキビができやすい方は、少量から試す方法があります。
Q4. 保湿成分は、多く重ねるほどよいですか?
A. 成分を多く重ねるほどよいとは限りません。(詳細)
重ねすぎるとべたつきや使用感の重さにつながる場合があります。肌の状態に合わせて量を調整してください。
Q5. 蜂由来の成分は、誰でも使えますか?
A. 蜂製品にアレルギーがある方は、使用前に医師へ相談してください。(詳細)
初めて使うときは、パッチテスト(=腕の内側などで少量を試すこと)を行ってください。
まとめ|種類を知り、全成分表示と使用方法を確認して選ぶ
保湿成分は、種類で整理し、全成分表示と製品の使用方法を確認して、肌の状態に合わせて選ぶのが基本です。
- 範囲:化粧品の効能は、うるおいを与える・乾燥を防ぐ・肌を整えるなどの範囲。
- 種類:水溶性・セラミド・油溶性(エモリエント)・植物や天然由来のエキス。
- 選び方:全成分表示・使用感・肌質・季節・続けやすさを確認する。
- 組み合わせ:成分や製品を一度に増やしすぎず、1つずつ試す。
- やめどき:強い痛み・腫れ・水ぶくれ・発疹が出たときは使用を中止して皮膚科を受診する。
肌の変化には時間がかかることがあるため、無理に量や回数を増やさず、肌が安定する使い方を続けることが大切です。