大理石のトレーに置かれた白いドロッパー付き美容液ボトル

「ナイアシンアミド※1の美容液とペプチド※2の美容液、夜の洗面所で2本並べたまま、どちらから塗るか迷っている…」
前に複数の美容液を一度に増やして頬が赤くなり、原因が分からないまま全部やめてしまった経験があると、なおさら手が止まりますよね。

※1:ナイアシンアミドとは、ビタミンB群の一種(ニコチン酸アミド)で、化粧品や医薬部外品に配合される水溶性の成分です。

※2:ペプチドとは、アミノ酸が2個以上つながった化合物の総称です。配合されるペプチドの種類により、期待される働きが異なります。

結論から言うと、ナイアシンアミドとペプチドは、肌の反応への働きかけ方が異なる成分で、併用できると考えられています。 ただし「相乗効果が証明されている」とまでは言えず、順番・ペプチドの種類・始め方によって使い心地は変わります。この記事では、併用の可否と、それぞれの成分の働き、塗る順番、ペプチドの種類別の見方、同時に始めて刺激が出たときの切り分け手順までを、医学論文データベースPubMedに掲載された3件の文献(参考文献1〜3)をもとに整理します。

ナイアシンアミドとペプチドは併用できる?結論と2つの成分の働き

茶色のガラス製ドロッパーボトルなど3本の容器

【結論】ナイアシンアミドとペプチドは作用の異なる成分のため、併用できると考えられています。ただし、両成分の組み合わせそのものを直接検証した報告は限られます。

ナイアシンアミドの働き|加齢肌の見た目とバリア機能

ナイアシンアミドについては、加齢した顔肌の見た目の変化について、5%ナイアシンアミドを顔の半分に12週間塗布し、参加者と評価者の双方に製品の内容を伏せて行った試験が報告されています(参考文献1、著者は製品開発企業の所属)。この試験は加齢肌の見た目を対象としたもので、バリア機能への作用を直接示すものではありません。ナイアシンアミドは、角層※3のバリア機能※4に関わると考えられている成分です。医薬部外品では有効成分として配合されている製品もあり、表示される効能は製品ごとに異なります。

※3:角層とは、肌の最も外側にある層で、水分の保持や外部刺激からの保護を担います。

※4:バリア機能とは、角層が水分の蒸発を防ぎ、外部からの刺激物質の侵入を抑える働きのことです。

ペプチドの働き|種類によって狙いが異なる

ペプチドは一括りにされがちですが、配合されるものによって狙いが違います。たとえばパルミトイルペンタペプチド-3は、ヒトの紫外線などで老化した肌を対象にした1件の試験で、しわの評価で変化がみられたと報告されています(参考文献2)。ただし、この結果は試験条件が限られた1件の報告であり、すべての製品や肌で同じ結果が出るわけではありません。一方、銅ペプチド(GHK-Cu)※5など、保湿や肌コンディションの維持を目的に配合されるものもあります。ナイアシンアミドと合わせる際は、ペプチドの種類を確認することが出発点です。

※5:GHK-Cuとは、銅と結合した3つのアミノ酸からなるペプチドの略称です。

複合処方の研究では、2成分の併用の相性は判断できない

ナイアシンアミド・ペプチド・レチニルプロピオネート※6を含む化粧品の一連の使い方と、0.02%トレチノイン※7製剤の使い方を、対象者を無作為に振り分けて比べた試験が報告されています(参考文献3)。この試験は3成分を含む製品を対象としたもので、ナイアシンアミドとペプチドの2成分の組み合わせだけの効果は切り分けられていません。そのため、この試験から併用の相性を判断することはできません。

※6:レチニルプロピオネートとは、レチノールのエステル型誘導体で、肌の中でレチノールに変換される成分です。

※7:トレチノインとは、ビタミンAの誘導体で、医師の処方が必要な医薬品のレチノイン酸です。

併用が安全かどうかは、成分同士の相性だけでなく、製品全体の処方や濃度、肌状態にも左右されます。他の成分との組み合わせが気になる方は、ナイアシンアミドに併用不可な成分はある?組み合わせの真相と注意点も参考にしてください。

ナイアシンアミドとペプチドを重ねる順番と3つのルール

手の甲にクリームを少量のせている様子

【結論】順番は、水分が多くサラッとしたテクスチャーのものから先に塗るのが一般的とされています。同じ水溶性美容液同士で迷う場合は、先に濃度の低い方、または肌に合うか確認中の新しい製品を後にすると、様子を見やすくなります。

ルール1|サラッとしたテクスチャーから先に塗る

一般的なスキンケアの手順として、水分量の多い製品から、油分の多い製品へと重ねます。ナイアシンアミド美容液とペプチド美容液がどちらも水溶性なら、より軽い方を先にします。ペプチドがクリームに配合されている場合は、ナイアシンアミド美容液の後にクリームを重ねる流れになります。

ルール2|1〜2分あけてなじませる

先に塗った美容液が表面に残ったまま次を重ねると、使用感が重くなったり、よれたりすることがあります。1〜2分を目安に、手のひらで軽く押さえてなじませてから次の製品を使うと扱いやすくなります。

ルール3|朝夜で分ける選択肢

2品を同時に重ねるのが不安な場合は、朝にナイアシンアミド、夜にペプチドというように時間帯を分けても構いません。分けることで、肌の反応を製品ごとに観察しやすくなる利点もあります。ペプチドを朝夜どちらに使うかは、製品の使用方法表示に従ってください。

【🔗関連記事】

※ペプチド側の使い方や、セラミドとの組み合わせはこちらで詳しく扱っています。
👉 ペプチド美容液はゆらぎ肌でも使える?安全な使い方と頻度の目安
👉 ペプチド美容液とセラミドの組み合わせ方|正しい順番と失敗しない選び方

ペプチドの種類別|ナイアシンアミドと合わせるときの4つの見方

【結論】ペプチドは「どの名称で表示されているか」「濃度が分かるか」「医薬部外品か化粧品か」の3点を見ると、併用時の判断がしやすくなります。

見方1|全成分表示でペプチドの名称を確認する

全成分表示には「パルミトイルペンタペプチド-3」「トリペプチド-1」「銅トリペプチド-1」のように、ペプチドは種類ごとの名称で記載されます。名称が分かれば、どの種類を使っているかを調べられます。

見方2|銅ペプチドは組み合わせる成分で安定性が変わる可能性がある

銅ペプチド(GHK-Cu)は、組み合わせる成分によって安定性が変わる可能性があるため、製品の使用方法表示に併用注意の記載がないかを確認してください。ナイアシンアミドとの組み合わせで問題になるかどうかは、製品ごとの確認が必要です。

見方3|濃度は「高いほど良い」とは限らない

ナイアシンアミドは配合濃度の幅が広く、高濃度の製品は使い始めに赤みやピリつきを感じる人もいます。ペプチドは濃度が非公開の製品も多く、数字だけで優劣を判断できません。初めて併用するときは、どちらも低めの濃度や、使い慣れた製品から始めると、反応を見極めやすくなります。

見方4|医薬部外品と化粧品の表示の違い

医薬部外品は、承認された有効成分に応じた効能を表示できます。ナイアシンアミドが有効成分として配合された製品もありますが、ペプチドは一般に化粧品の成分として配合される例が多いため、製品の区分は製品ごとの表示で確認してください。1本の製品にナイアシンアミドとペプチドが両方入っている場合もあるため、重ねる前にそれぞれの製品の全成分表示を見て、成分の重複を確認しましょう。

【🔗関連記事】

※ナイアシンアミドの働きや医薬部外品の見方はこちらでまとめています。
👉 ナイアシンアミドの効能とは?4つの働きと医薬部外品の見方・肌質別の選び方

肌タイプ別|ナイアシンアミドとペプチドの併用の始め方3パターン

コットンを指で肌に軽く押し当てている様子

【結論】肌の状態によって始める順番と頻度を変えると、刺激への対処がしやすくなる可能性があります。いずれの場合も、顔全体に使う前に、腕の内側など目立たない部位で試してください。

敏感肌・乾燥しやすい肌

まずペプチド(または低刺激処方の保湿製品)から始め、肌が安定してからナイアシンアミドを低濃度で足す流れが考えられます。ナイアシンアミドは使い始めに赤みやピリつきを感じる人もいる成分のため、最初は使用する日を少なくし、肌の反応を見ながら増やすと無理がありません。

皮脂が気になる肌

皮脂が気になる肌では、ナイアシンアミドを低めの濃度から使い始めて、肌の反応を見る方法があります。ペプチドを足す際は、クリームより美容液タイプを選ぶ選択肢もあります。

季節の変わり目などゆらぎやすい時期

新しい成分を2つ同時に増やすのは避け、いつも使っている製品を維持したまま1つずつ足します。ゆらぎ肌でのペプチドの使い方は、先に挙げたペプチド美容液はゆらぎ肌でも使える?安全な使い方と頻度の目安も参考になります。

同時に始めて刺激が出たときの切り分け手順

【結論】2つ同時に始めて赤みやピリつきが出たら、まず両方の使用を休み、肌が落ち着いてから1つずつ再開すると、どちらの製品で反応が出たかを確認しやすくなります。

  1. 使用を一旦休む:赤み・かゆみ・ヒリつきが出たら、両方の使用を中止し、洗顔と保湿など普段のシンプルなケアに戻します。
  2. 落ち着くまで待つ:症状が引くまでの目安は数日〜1週間程度ですが、個人差があります。
  3. 片方だけ再開する:腕の内側や耳の後ろでパッチテスト※8を行い、問題がなければ顔の一部から再開します。
  4. 数日〜1週間あけてもう一方を足す:同じ手順を繰り返します。間隔は目安であり、肌の反応を見て調整してください。

※8:パッチテストとは、製品を少量だけ皮膚の目立たない部位に塗り、24〜48時間ほど経過を見て、赤みやかゆみが出ないか確認する方法です。

どちらの製品で反応が出たかが分かれば、以降の選択がしやすくなります。レチノールなど別の成分も含めて組み合わせを考えたい場合は、ナイアシンアミドとレチノールは一緒に使える?相性問題の真実やレチノールとペプチドは併用できる?組み合わせの仕組みと正しい順番が参考になります。

併用をやめるべきサインと皮膚科受診の目安

【結論】赤み・腫れ・強いかゆみが続く場合は、使用を中止して皮膚科に相談してください。

以下に当てはまる場合は、ナイアシンアミドとペプチドの使用を中止してください。

  • 塗った直後から強いピリピリ感や熱感が続く
  • 赤みや腫れが出て、使用を中止して3日以上経っても引かない
  • 強いかゆみ、水ぶくれ、じゅくじゅくした体液が出ている
  • 化粧水すら強くしみて塗れない

これらは化粧品が肌に合っていない可能性を示します。製品のパッケージや全成分表示を持参して、皮膚科を受診してください。

ナイアシンアミドとペプチドの併用に関するよくある質問(FAQ)

【結論】併用の可否・順番・中止の判断に関する5つの疑問に、本文の根拠に沿って答えます。

Q1. ナイアシンアミドとペプチドは同じ日に一緒に使っても大丈夫ですか?

A. 肌に合うことを確認できれば、同じ日に使う選択肢があります。(詳細)

併用の安全性を直接検証した報告は限られるため、初めて併用する場合は、まずそれぞれ単独で腕の内側などで試して問題がないことを確認してから、1つずつ導入してください。

Q2. 塗る順番は、ナイアシンアミドとペプチドのどちらが先ですか?

A. 水分が多くサラッとした製品から先に塗るのが一般的です。(詳細)

どちらも水溶性美容液なら、より軽いテクスチャーの方を先にします。製品に使用順の指定がある場合はそちらに従ってください。

Q3. 両方を同時に始めて刺激を感じたら、どちらをやめればいいですか?

A. まず両方を休み、肌が落ち着いてから1つずつ再開して確認します。(詳細)

同時に使ったままでは原因を特定できません。片方ずつ試してから再開すると、どちらの製品で反応が出たかを確認しやすくなります。

Q4. ナイアシンアミドは高濃度のものほど効果が高いですか?

A. 高濃度ほど効果が高いとは限りません。(詳細)

濃度が高いと赤みやピリつきを感じる人もいます。肌に合う範囲で、使い続けやすい濃度を選ぶことが大切です。

Q5. レチノールなど他の成分とも一緒に使えますか?

A. 組み合わせ可能な場合もありますが、製品ごとの確認が必要です。(詳細)

レチノールは刺激が出やすい成分のため、まず他の成分を安定して使えている状態で、1つずつ足すのが無理のない進め方です。

まとめ|ナイアシンアミドとペプチドを無理なく取り入れるために

【結論】併用は可能と考えられていますが、順番と始め方で使い心地が変わるため、1つずつ導入して確認することが大切です。

  • 併用は可能と考えられる:肌の反応への働きかけ方が異なる成分ですが、併用そのものの効果を直接検証した報告は限られます。
  • 順番はテクスチャー優先:水分が多くサラッとしたものから先に、1〜2分あけて重ねます。
  • ペプチドの種類を確認する:全成分表示で名称を確認し、銅ペプチドなどは使用方法表示の併用注意も見ます。
  • 同時に増やさない:1つずつ導入し、刺激が出たら両方を休んで切り分けます。
  • サインを見逃さない:強い赤みやかゆみが続く場合は、皮膚科に相談してください。

スキンケアの変化は一朝一夕で現れるものではありません。肌の反応を見ながら、無理のないペースで継続することが大切です。

※本記事は一般的なスキンケア情報を目的としており、特定の効果効能を保証するものではありません。肌状態に不安がある場合は、皮膚科専門医へご相談ください。

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