にきびがくれた“自分と向き合う時間”。
鏡が嫌いだった私が、少し好きになれた理由

10代の頃から、にきびはずっと私の「気にしたくないのに、ずっと視界にいる存在」だった。

洗面所の明かりってどうしてあんなに残酷なんだろう。ふとした瞬間に鏡を見るたびに、新しい赤みを発見しては落ち込んだ。写真を撮るときは角度を決めて、左頬だけは絶対に見せない。そんな“小さな防御”を積み重ねながら、気づけば自分自身に対してもどこか距離を置いていた。 でも大人になるにつれて、にきびに対する感情が少しだけ変わってきた。

「隠す」「戦う」だけじゃなくて、「向き合う」「知ろうとする」っていう選択肢が増えた気がする。

● にきびがある=生活がダメ、ではない

20代前半の私は、にきびができるたびに

「ケアできてない自分=ダメ」と決めつけていた。

だけど仕事で忙しい時や、ストレスで余裕がない時、季節の変わり目に肌がゆらぐたび、

「にきびは結果であって、原因じゃない」と思うようになった。

肌は正直で、無理してるとすぐに教えてくれる。

ただ責めるんじゃなくて、

「休んだほうが良いよ」というサインとして受け取れると、少しだけ心も軽くなった。

● ケア方法は“正解を探す旅”じゃなくて、今の私を知る時間

SNSを見れば、にきびに効くという美容法は無限にある。

昔はそれを全部試しては「効かなかった…」と落ち込んでいた。

でも最近は、正解じゃなくて“自分に合うもの探し”だと感じている。

  • 睡眠の質を上げてみたり
  • 刺激を減らしてスキンケアをシンプルにしてみたり
  • メイクを薄くする日を作ってみたり

試行錯誤の時間そのものが、自分のことを丁寧に扱っている感じがして好きだ。

肌だけじゃなく、気持ちも整う。

● 他人の肌と比べなくなったら、鏡が怖くなくなった

SNSや広告が見せてくる“完璧な肌”を見て焦ることもある。

でも、少しずつだが比べる対象を「他人 → 過去の自分」に変えられるようになった。

  • 昨日より赤みが少ない
  • 前よりメイク崩れしにくい
  • 触った時のざらつきが減った

そんな小さな変化に気づけると、鏡を見る時間が前より優しくなる。

● 結論:にきびは嫌い。でも嫌いなものとどう向き合うかは選べる

正直に言えば、にきびは今でも好きじゃない。

できないならできないほうがいい。痛いし、跡になるし、自信も削られる。

でも「嫌い=憎む」じゃなくて

「嫌い=尊重しつつ距離感を決める」くらいで良いのかもしれない。

完璧じゃない肌でも、今の自分を否定しない。

その余裕を持てるようになったのは、にきびがくれた成長だったと思う。