柔らかい光の中で目を閉じた顔の肌のクローズアップ

「赤みに良いと聞いたナイアシンアミドを塗ったのに、夕方になると頬がほてって熱っぽい…」と不安になったことはありませんか。ナイアシンアミドは赤ら顔のスキンケアに使える可能性がありますが、赤みを消す成分ではありません。また、赤ら顔には化粧品で整える範囲を超える赤みも含まれます。ナイアシンアミドは、肌の乾燥を防ぐ保湿ケアの一部として取り入れられる成分で、バリア機能※1に関わる報告もあります。赤ら顔の肌でも、パッチテスト※2をしたうえで少量から始めれば選択肢になりえます。ただし、ほてりや強い赤みが続くときは使用を中止し、皮膚科に相談してください。 この記事では、赤ら顔の赤みの種類、研究で言われている範囲、使い始めの赤みの見分け方、始め方の手順まで整理します。

※1:バリア機能とは、肌の表面の角層が水分を保ち、外からの刺激の侵入を防ぐ働きのことです。

※2:パッチテストとは、本格的に使う前に、腕の内側などの狭い範囲に少量を塗り、赤みやかゆみが出ないかを確かめる方法です。

ナイアシンアミドは赤ら顔に使える?結論と3つの前提

リネンの上に置かれた琥珀色のガラスボトル

【結論】ナイアシンアミドは、赤ら顔の肌のスキンケアに取り入れられる可能性がありますが、赤みを消したり治したりする成分ではありません。前提は次の3つです。

  1. 赤みの原因は一つではない:ほてりやすい体質、乾燥による刺激、炎症後の赤みなど、原因が複数あります。ナイアシンアミドが合うのは、そのうち肌表面の乾燥や刺激が関わる場合が中心と考えられます
  2. 研究は限られている:赤みのある肌での報告はありますが、小規模なものが中心で、製品や濃度、期間が異なります。すべての赤ら顔に同じ結果が出るとは言えません
  3. 合わない人もいる:使い始めに赤みやほてりが出ることがあります。パッチテストと少量からの開始が前提です

つまり、「ナイアシンアミドを塗れば赤ら顔の見た目が整う」と期待するのではなく、「刺激を避ける保湿ケアの一部として、肌に合うか確かめながら使う」と考えると、失敗しにくくなります。赤みへの化粧水選びは赤ら顔に合う化粧水の選び方にまとめています。

赤ら顔の赤みは3タイプ|化粧品で扱える範囲と受診が必要な赤み

頬から首にかけての肌のクローズアップ

【結論】赤ら顔の赤みは、化粧品のケアで整えやすい赤みと、診断が必要な赤みに分かれます。区別がつかないときは、ナイアシンアミドを試す前に皮膚科で相談するのが安全です。

鏡の前で頬の赤みが気になるとき、一時的なものか、続いているものかで、考え方が変わります。赤みは、おおまかに次の3タイプに分けられます。

  • 刺激・乾燥による赤み:洗顔後のつっぱり、化粧水がしみる、季節の変わり目に赤くなるなど。肌表面のバリア機能が低下しているときに起こりやすいと考えられています
  • 血管が目立つ赤み:頬や小鼻の毛細血管拡張※3により、常に赤く見える状態。スキンケアだけで見た目を変えるのは難しい場合があります
  • 酒さ※4などの皮膚疾患に伴う赤み:ほてり、ぶつぶつとした赤い盛り上がりを伴うことがあり、診断と治療が必要です

※3:毛細血管拡張とは、皮膚の浅い層にある細い血管が広がったままになり、肌の表面から赤く透けて見える状態のことです。

※4:酒さとは、顔の中央部に赤み、ほてり、赤いぶつぶつが慢性的に続く皮膚の病気です。皮膚科で診断され、治療が行われます。

ナイアシンアミドが関わりうるのは、このうち主に1つ目の「刺激・乾燥による赤み」と考えるのが現実的です。3つ目に当てはまる可能性があるときは、自己判断で成分を選び続けず、皮膚科に相談してください。

研究で言われていること|バリア機能と赤みの根拠の線引き3つ

【結論】ナイアシンアミドはバリア機能に関わる報告があり、酒さのある人を対象にした小規模な試験もあります。ただし、赤みを消す効果が確立されたとまでは言えません。

根拠は、次の3つに分けて読むと整理しやすくなります。

  1. 機序に関する報告:ナイアシンアミドは、角層の細胞間脂質※5の一つであるセラミドの合成を高め、肌のバリア機能を支える可能性が報告されています[1]。試験の種類(試験管内かヒトの皮膚か)は原論文で未確認のため、この記事では断定しません。バリア機能の低下が関わる赤みを考えるときの背景になりますが、赤みそのものを調べた結果ではありません
  2. 診断を受けた人を対象とした試験:ナイアシンアミドを含む保湿剤を使った試験(対象は酒さと診断された人)で、バリア機能の指標が改善したと報告されています[2]。ただし、この試験は保湿剤の製剤全体での結果で、ナイアシンアミド単独の効果を切り分けたものではありません。また、対象は診断を受けた人で、自己判断の赤ら顔と同じ条件ではありません
  3. 専門家委員会の報告での位置づけ:酒さの標準的な管理について、米国の National Rosacea Society 専門家委員会が2019年に更新した報告では、刺激の少ない保湿剤や紫外線対策などの基本的なスキンケアが重視されています[3]。酒さの治療は医師の診断に基づいて行われるため、化粧品の成分で代わりにはなりません

※5:角層の細胞間脂質とは、肌の一番外側の角層で、細胞のすき間を埋めている脂質のことで、水分の保持に関わります。セラミドはその主な成分です。

つまり、ナイアシンアミドは「赤みを消す成分」ではなく、「肌の乾燥を防ぐ保湿ケアの一部」として位置づけるのが、確認できた範囲に合っています。配合濃度は製品で異なり、表示されないことも多いため、濃度の数字だけで合う合わないを判断することはできません。

使い始めの赤みは様子見か中止か|見分ける4つの目安

【結論】使い始めに軽いほてりが短時間で収まるのは様子見の範囲になることがありますが、赤みが強い、長引く、かゆみやヒリつきを伴うときは中止します。以下は一般的な目安で、個人差があります。

ナイアシンアミドを塗ったあとに顔が赤くなる反応を、フラッシング※6と呼ぶことがあります。夕方の電車の窓に映る頬が赤く見えて、合っていないのではと迷う場面を想定して、4つの目安をまとめます。

※6:フラッシングとは、顔や首が一時的に赤くなり、熱を持ったように感じる反応のことです。

目安様子見にとどめやすい状態中止を考える状態
赤みの強さうっすらとした赤みはっきりした赤み、熱を持つ
続く時間塗ってしばらくで収まる数時間たっても引かない、翌日も残る
ほかの症状特になしかゆみ、ヒリつき、ぶつぶつ
回数との関係使うたびに弱まる使うたびに強まる

「中止を考える状態」に1つでも当てはまれば、使用をやめて様子を見ます。ナイアシンアミドで赤みやヒリつきが出たときの原因の見分け方は、ナイアシンアミドで赤み・ヒリつきが出たときの原因の見分け方と、肌を休ませる対応で詳しく扱っています。

赤ら顔の肌での始め方3ステップ

手の甲に少量のクリームをのせた様子

【結論】赤ら顔の肌では、パッチテストをしてから、夜だけ少量で始め、問題がなければ頻度を増やします。新しい成分は同時に複数始めません。

洗顔後に頬がつっぱる夜、新しい美容液を試したくなる場面を想定して、手順をまとめます。

  1. パッチテストを行う:腕の内側に少量を塗り、24時間後と48時間後に赤みやかゆみが出ていないかを確認します。顔の皮膚は腕と反応が異なることがあるため、腕で問題がなくても顔で同じ反応になるとは限りません
  2. 夜だけ、週2〜3回から始める:全顔に塗る前に、頬の一部で試します。問題がなければ、1〜2週間ほどかけて頻度を増やします
  3. ほかの新しい製品は同時に始めない:レチノールや高濃度のビタミンCなど刺激を感じやすい成分と同時に始めると、赤みの原因が分からなくなります

配合製品は、アルコールや香料など刺激になりうる成分が少ないものを選ぶと、赤みの原因を絞りやすくなります。美容液選びは、記事下部の関連記事「顔の赤みが気になるときの美容液の選び方」を参考にしてください。日中は日焼け止めなどの紫外線対策も欠かせません。

こんなサインが出たら使用を中止|皮膚科受診の目安

【結論】強い赤み・かゆみ・ヒリつきが出たら使用を中止します。うっすらとした赤みが短時間で収まる場合は様子見にとどめ、次のような場合は、化粧品で様子を見続けず、皮膚科に相談してください。

次のようなサインが出たときは、使用を中止して様子を見ます。

  • 塗ったところが赤くなる、かゆくなる、ヒリヒリする
  • 使うたびに赤みやほてりが強くなる
  • ぶつぶつとした吹き出物やカサつきが増えた

次のような場合は、自己判断で続けずに、皮膚科に相談してください。

  • 使用を中止しても赤みやかゆみが1週間以上続く
  • 頬や鼻まわりの赤みが慢性的に続き、ほてりや赤いぶつぶつを伴う
  • 以前よりも赤みが広がっている、血管が目立ってきた

赤みの背景に酒さなどが隠れていることがあります。診断がつけば、適切な治療とスキンケアの指導を受けられます。気になる変化は、早めに皮膚科で診てもらうことをおすすめします。

ナイアシンアミドと赤ら顔に関するよくある質問(FAQ)

【結論】ナイアシンアミドは赤ら顔を治す成分ではありませんが、パッチテストをして少量から始めれば、保湿ケアの選択肢になりえます。

Q1. ナイアシンアミドは赤ら顔の赤みを消す効果がありますか?

A. 赤みを消す効果が確立されたとは言えません。(詳細)

赤みを消す効果が確立されたとは言えません。バリア機能に関わる報告や、酒さの人を対象にした小規模な試験はありますが、治療の中心は医師の診断に基づく薬です。酒さが疑われるときは皮膚科に相談してください。

Q2. ナイアシンアミドを塗ると顔が赤くなるのは、合わないサインですか?

A. 赤みが強い、長引く、かゆみやヒリつきを伴う、使うたびに強まるといった場合は、合わないサインの可能性があります。(詳細)

赤みが強い、長引く、かゆみやヒリつきを伴う、使うたびに強まるといった場合は、合わないサインの可能性があります。その場合は使用を中止してください。うっすらとした赤みが短時間で収まる場合は様子見の範囲になることがありますが、個人差があります。

Q3. 敏感肌でもナイアシンアミドは使えますか?パッチテストはどうしますか?

A. 敏感肌でも使える場合はありますが、必ず事前にパッチテストをしてください。(詳細)

敏感肌でも使える場合はありますが、必ず事前にパッチテストをしてください。腕の内側に少量を塗り、24時間後と48時間後に赤みやかゆみがないかを確認します。顔で同じ反応になるとは限らないため、顔でも一部から試します。

Q4. 赤みが気になるとき、ナイアシンアミドは何%から始めるのがよいですか?

A. 濃度の数字だけで判断することはできません。(詳細)

濃度の数字だけで判断することはできません。製品に濃度が表示されていないことも多く、ほかの配合成分や使用量でも刺激は変わります。まずは刺激になりうる成分が少ない製品を選び、少量・低頻度から始めて様子を見てください。

Q5. 赤みが続く・強い場合は、スキンケアより先に皮膚科を受診すべきですか?

A. 赤みが慢性的に続く、ほてりや赤いぶつぶつを伴う、広がっているといった場合は、スキンケアで様子を見るより先に皮膚科の受診をおすすめします。(詳細)

赤みが慢性的に続く、ほてりや赤いぶつぶつを伴う、広がっているといった場合は、スキンケアで様子を見るより先に皮膚科の受診をおすすめします。診断を受けたうえで、使ってよいスキンケアを相談できます。

まとめ|赤みを消す成分ではなく、肌を整える選択肢の一つとして

【結論】ナイアシンアミドは、赤ら顔を治す成分ではなく、肌の乾燥を防ぐ保湿ケアの選択肢の一つです。 パッチテストと少量からの開始、赤みが続くときの中止と受診が前提になります。

  • 赤みの種類を見分ける:刺激・乾燥による赤みと、血管や酒さに伴う赤みでは対応が異なります
  • 根拠の範囲を区別する:バリア機能に関する報告と、酒さの人での小規模な試験はあるものの、赤みを消す効果は確立されていません
  • 使い始めの赤みは目安で判断する:赤みの強さ、続く時間、ほかの症状、回数との関係で見ます
  • パッチテストから:腕の内側で24時間後・48時間後に確認し、夜だけ週2〜3回から始めます
  • 続くなら皮膚科へ:中止しても1週間以上続く赤みや、ほてり・赤いぶつぶつを伴う赤みは相談の目安です

肌の状態は一度のケアで変わるものではなく、刺激を避けた保湿と紫外線対策を続けることが土台になります。肌に不安があるときは、自己判断せずに皮膚科に相談してください。

\ 赤みのケアの全体像を確認しましょう /

原因別のスキンケアの選び方や受診の目安は、記事下部の関連記事「肌の赤みが気になるときのスキンケアの選び方|3つの原因と低刺激ケアの手順」にまとめています。

※本記事は一般的なスキンケア情報を目的としており、診断・治療を目的としたものではありません。肌トラブルが続く場合は皮膚科医にご相談ください。

🔍 次はコレ

「ナイアシンアミド」配合コスメ、見てみる?

「ナイアシンアミド」を配合したコスメや、気になる肌悩みから、あなたに合うアイテムを探せます。