先週の朝、洗面所でいつものように鏡を見ていたとき、ふと違和感がありました。頬のあたりに、前よりもくっきりと線が刻まれていたのです。
「いつからあったんだろう…?」
指でそっと伸ばせば一瞬消えますが、手を離せばまた元に戻ります。まるでそこが"定位置"になっているかのようでした。
その瞬間、気づきました。このしわは突然できたわけではなく、日々の表情や習慣の積み重ねが形になった結果だということに。
にもかかわらず、私はつい最近まで気づきもしませんでした。"しわがある自分"を認識した途端、それが急にコンプレックスに変わってしまう。なんだか不思議ですよね。
しわは本当に「消すべきもの」なのでしょうか
美容の世界では、しわは常に"悪者"として扱われます。
- しわ改善クリーム
- アンチエイジング
- たるみケア
どれも「しわをなかったことにする」ことが前提です。
でも、しわをじっと見つめているうちに、こう思うようになりました。
目尻のしわは、笑ったときにできたものかもしれません。おでこの横線は、驚いたり真剣に考え込んだりした証かもしれません。
つまり、しわは過去に何度も感情を動かし、生きてきた証拠でもあります。
しわがまったくない顔は、確かに若々しく見えます。でも同時に、表情の痕跡が薄く、どこかのっぺりとした印象にも感じられます。
「完璧に整った顔」が必ずしも「魅力的な顔」ではないように、しわがある顔には、その人だけの物語が刻まれているのです。
しわは「老い」ではなく、「つながり」かもしれません
しわのある顔を見ると、どこか温かさを感じることがあります。
- 大笑いする癖のある人の目尻のしわ
- 苦労を乗り越えてきた人の眉間のしわ
- 誰かを想い続けた人の口元のしわ
それらは、どのように生きてきたかを示す小さなサインです。
赤ちゃんの肌はつるんとしていて美しいですが、そこにはまだ「経験」が刻まれていません。逆に、時間を誰かと歩んできた人の顔には、表情や想いが刻まれています。
しわをただ否定することは、その人の生き方を否定することにもつながるかもしれません。
前回の記事で、笑いジワとの向き合い方についてお話ししました。
👉 前回の記事:笑いジワと仲良くなるまで。若い頃は嫌いだったけど、今はちょっと好き
しわを"憎む"のではなく、対話してみる
ここまで読むと、
「じゃあスキンケアや美容医療はいらないの?」
と思われるかもしれません。
そうではありません。
【大切なのは、しわを憎むのではなく、対話する姿勢です】
- このしわは、どんな表情から生まれたんだろう?
- このラインがあるから、私の笑顔は私らしく見えるんじゃない?
そう考えることで、単純に「消す or 残す」という発想ではなくなります。
「これ以上深くならないように保湿しよう」
「紫外線から守ってあげよう」
そんな"労わるケア"が生まれてきます。
最後に
もし今、鏡の前で目立ってきたしわを見て落ち込んでいるなら、少しだけ立ち止まってみてください。
そのしわは、どんな表情の積み重ねで生まれたのでしょう?
それは、
- 誰かを大切に想ったときの顔
- 本気で何かに向き合ったときの顔
- 涙が出るほど笑ったときの顔
かもしれません。
そう思えると、鏡を見る時間が少しだけ優しくなる気がします。